刑事事件ブログ
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愛知総合法律事務所名古屋丸の内本部事務所の弁護士の岩田です。
1.はじめに
今回は、逮捕・勾留されてしまった場合に、お仕事はどうなってしまうのか、勤務先への連絡の方法、解決時の勤務先への報告の方法などをどのようにすればよいのかなどの点をお伝えできればと思います。
ご家族の方にもご覧いただければ幸いです。
今回は、主に逮捕・勾留後、不起訴処分になることが想定される場合についてお伝えします。
逮捕されてしまうと、通常、警察署内の留置施設に身柄を拘束されてしまいます。
また、逮捕のあとには勾留という手続も控えており、その場合には、通常、10日間、長ければ最大22日間の身柄拘束が続いてしまう可能性があります。
その間、当然会社に出勤することは困難ですので、勤務先との関係の調整が必要になります。
また、最終的に刑事手続が終了した場合にも勤務先からどのような処分が科せられるのかも非常に重要な問題です。
2.そもそも無断欠勤にあたってしまう可能性がある
逮捕・勾留をされてしまったとしても、「罪を犯した」と判断されたのではなく、「罪を犯した疑いをかけられている」という状態です。
したがって、逮捕されたからといって、直ちに会社に対して不利になるわけではありません。
もっとも、逮捕は予期せずなされることが多いので、会社に事前に伝えることができないままに欠勤をしてしまうことになります。
多くの会社では、就業規則上、無断欠勤は、懲戒事由にあたると定めるなど厳しい対応を定めていることが多いです。
そこで、弁護人やご家族の方を通して、会社に対して、早期にしばらく欠勤する旨を伝えることが重要です。
その際にどの程度会社に対して疑われている犯罪の内容を伝えるのかについては、弁護人と相談していただければと思います。
消化していない有給休暇があるのであれば、敢えて疑われている罪の件は伏せて、この際に使用して、正当な「休暇」をとり、欠勤が勤務先との関係で不利にならないように対処するという方法もあるでしょう。
3.釈放後の勤務先への報告
解決時にも、勤務先には、今回どのような経緯で逮捕されてしまったのか、どんな犯罪が疑われていたのか、最終的にはどのような解決になったのかを踏まえて会社には適正な処分を求めることが必要になる場合もあります。
とりわけ、勤務先に逮捕の事実が知られてしまった場合には誠実な報告が必要でしょう。
勤務先は、逮捕されたからといって直ちに懲戒処分を下すことができるわけではありません。
具体的には、就業規則に定められていますが、勤務先に損害を与えるなどの事情が必要です。
したがって、純粋にプライベートでのトラブルがきっかけで、勤務先に損害を与えていなかった場合には、懲戒処分を下すことが出来ません。
私が最近担当した案件では、弁護人である私が、勤務先に、事案の概要、本人の責任の程度、解決の内容を伝えることで、会社からの処分が何も下されなかったというケースがありました。
事案によっては誠実にお伝えすることがむしろ復帰にあたっても効果的になる場合もあります。
こちらの記事も是非ご覧ください。
・逮捕のネット記事は削除できる?
3.おわりに
今回は、主に逮捕・勾留後、不起訴処分になった場合を想定してお伝えしました。
一方、逮捕・勾留の結果、起訴されてしまう(刑事裁判にかけられてしまう)場合には、勤務先は、一定の条件のもと、起訴休職という休職を命じることができます。
起訴休職については別の問題が生じます。
今回お伝えしたようなケースでお悩みのご家族の方、起訴休職等でもお悩みの方々、その他刑事事件でお悩みの方々、お気軽にご相談いただければと存じます。