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 ニュースなどでも大きく取り上げられていますが、平成29年7月13日、性犯罪について大きく変更した改正刑法が施行されました。

 性犯罪については、平成16年の刑法改正による罰則の強化、集団強姦等罪に関する規定の新設等はありましたが、抜本的な改正は、明治時代の刑法制定から一度もなされてきませんでした。

改正前の刑法では、暴行・脅迫により財産を奪う強盗罪よりも、暴行・脅迫により性的自由を侵害する強姦罪のほうが被害が深刻な場合があり得るのに、法定刑の下限は強姦罪のほうが短く、軽い刑が科され得るのはおかしいのではないか、という批判がありました。このような批判に応える形で、性犯罪についての規定が大きく改正されています。

 以下に、今回の改正の要点を挙げていきます。

 

1.強姦罪が、強制性交等罪に変更されました。

 これまで、強姦罪は、単独で主体となり得たのは男性のみであり、また、被害者となり得たのは女性だけでした。これに対し、被害者が男性の場合は、強制わいせつ罪が成立し得たのみでした。

 今回の改正により、罪名が変わっただけでなく、男性も女性も、単独で強制性交等罪の主体となり得、被害者ともなり得るようになりました。法定刑も、「3年以上の有期懲役」から、「5年以上の有期懲役」に変更され、より重い刑が科されるようになっています。

 

2.監護者わいせつ罪及び監護者性交等罪の新設

 これまでは、強制わいせつ罪。及び、強姦罪が成立するには、その手段として「暴行・脅迫」が用いられていることが要件となっていました。そして、その暴行・脅迫は、被害者の反抗を著しく困難にする程度のものであることが必要とされています。

 しかし、しかし、家庭内での性的虐待については、被害者の拒否が難しいと考えられるため、親などの「監護者」が、支配的な立場を利用して18歳未満の者と性的な行為を行った場合には、暴行・脅迫がなくても処罰することができるものとされ、法定刑も、それぞれ強制わいせつ罪、強制性交等罪と同じになっています。

 

3.親告罪の規定の廃止

 刑事弁護においては、これによる影響が小さくないと考えられます。そこで、この点については、次回の刑事弁護ブログで詳しく説明したいと思います。

 

名古屋丸の内本部事務所 弁護士 安井 孝侑記